理想の家を建てていても、家というのは、年月を重ねるごとに劣化していくものです。そのため、定期的なメンテナンスが必要となってきます。その中でも、外壁塗装は10年ごとに実施するのがおすすめといわれています。今回は、そんな外壁塗装に深く関わるチョーキング現象について、詳しく解説するので、最後まで見てもらえたら幸いです。
チョーキング現象とは？
まず、チョーキング現象とはいったいなんなのか、その特徴や性質をこちらでは詳しく解説します。チョーキング現象を理解して、家を長持ちさせるように努めていきましょう。
そもそもチョーキング現象というのは、外壁表面に触れた際に粉状のものが付着するのを指します。もしかしたら、名前を聞いたことがなくとも、目にしたことはあるかもしれません。
チョーキング現象で発生する粉は、外壁の塗料が経年劣化したことにより、生じるものであり、白色・ベージュ・灰色など、外壁の色によって、さまざまな色が見られるというのも大きな特徴です。経年劣化が進んでいくと、塗膜の中にある合成樹脂が分解され、そちらが粉となって表面に発生していきます。
勘違いに気をつける
チョーキング現象は、勘違いに気をつける必要があります。よく挙げられる例として、壁についた砂などをチョーキングが発生したと勘違いしてしまうパターンです。砂・チリとチョーキングの違いを見極めるのは難しい場合もあるため、専門的な知識が必要となるかもしれません。そのため、判断に迷った際には、プロに相談したほうがよいでしょう。
また、外壁の種類によっては、チョーキングが発生しない種類も存在しています。例を挙げると、レンガなどはチョーキングが発生しないのです。そうはいっても、日本で使用されている外壁のほとんどがチョーキングが発生するといわれているため、勘違いだと決めつけずに対応するのがベストとなります。
チョーキング現象が起きる原因
次に、チョーキング現象が起こる原因について、いくつか解説するので、こちらを参考にして、自分の家の外壁をチェックしてみましょう。
経年劣化
外壁塗装は、雨や太陽の光を受けて、劣化が進んでいくという特徴があります。この劣化が進んでいくと、外壁塗装の成分が分離するという現象が発生するのです。こちらの分離が進むと顔料と呼ばれる成分のひとつが表面に出てくるようになります。
この顔料こそがチョーキング現象にある粉となっていることから、こちらの顔料が出てくることで、チョーキング現象が発生したと認識されるようになります。
また、劣化の進行具合には段階があるというのも特徴で、初期だと粉がわずかに付着する、そしてさらに進行した状態だとしっかり粉が付着するというように粉の量が変化してくるというのも覚えておくべきポイントといえるでしょう。
施工不良
2つ目の理由として挙げられるのは施工不良です。時々、外壁塗装を施工する際に何らかの不備が原因でチョーキング現象が発生するというケースが存在しています。
施工不良の具体的な例を挙げると、塗料の調合・攪拌不足・塗布量不足などがあり、施工不良が疑われるタイミングとしては、家を建ててから1年以内にチョーキングが発生してしまうと、経年劣化ではなく、施工不良と判断できる可能性があります。
このように、チョーキング現象が発生する要因を認識しておくことで、すばやい対処が可能となるので、ぜひ覚えておきましょう。
チョーキングを放置することの危険性
最後はチョーキングを放置する危険性についてです。人によっては、「粉が発生するぐらいとくに気にならない」と感じる方もいるかもしれません。しかし、放置した状態を続けていると、さまざまなリスクが発生してしまいます。下記では、そんなリスクについて、詳しく解説します。
カビやコケが発生する
チョーキングによる粉は、カビやコケの発生源になるものといわれています。そのため、チョーキングを放置してしまうと、カビやコケの発生リスクが高くなってしまうのです。
そして、カビやコケは外壁の保護機能を低下させる要因にもなるため、さらなる劣化のリスクがあります。さらに、カビやコケは人体に有害な物質が含まれているため、アレルギー反応を起こしてしまうケースがあるというのも、大きな危険性といえるでしょう。
家の印象が悪くなる
チョーキングにより家が白い粉で目立ってしまうと、家の外観をいちじるしく損ねてしまいます。理想の新築を手に入れても、チョーキングを放置してしまうと、その家だけではなく、所有者の印象にも変化が生じる恐れがあります。
また、家を売却する際にも外壁の状態は買い手が重要視するポイントとなっているため、家の価値を下げたくないのであれば、チョーキングの対策や対処を実施するべきといえるでしょう。
まとめ
今回は、チョーキング現象が発生する原因や放置する危険性などについて、詳しく解説しました。上記でも解説したとおり、チョーキング現象を放置してしまうと、さまざまなリスクが発生する恐れがあるため、早急に対処することがおすすめといえます。そのため、家を建てたら終わりではなく、定期的なメンテナンスやチェックが必要といえるでしょう。皆さんも、今回紹介した内容を参考にしながら、家の寿命を長くするように努めていきましょう。
